手打ちうどん

讃岐 手打うどんの作り方(打ち方)


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うどん作りのきっかけ 

 私は生まれてこの方、ずっと讃岐人である。
 原産地も加工地も讃岐、使用言語も讃岐弁である。
 当然のごとく、美味いうどんが大好きだ。

 しかし、讃岐人はうどんに関して2点ほど誤解されている。

 一つは、「讃岐人はうどん好き」と言うもの。
 二行ほど上の文章と相反する ように見えるかも知れないが、正しくは「讃岐人は美味いうどんが好き」であって、「不味いうどんは大嫌い」なのである。

いや、ハッキリ言ってしまうと「不味いうどんを日本一嫌うのが讃岐人」である。

 普段に最高に美味いうどんを食べているのだから、不味いうどんに耐性が有るはずが無い。だから、よその地域に行って「讃岐人だから」と言われてうどんを勧められても迷惑そのもの、いや、場合によっては拷問なのである

 もう一つの誤解は「讃岐人はうどんが打てる」と言うものだ。

 大昔は確かに各農家で農作業の合間にうどんを打っていたらしい。
 だが、いまどきそんな話は聞いた事が無いぞ???
 私だって打ち方くらいは知っていても、使う小麦粉の種類や塩・水の配合っていう一番重要な部分は知らなかったもんな〜。

 だから、「うどんを打ってください」と頼まれても「カンベンしちくりさいm(_ _)m」としか言いようが無かったのですぢゃ。

 ところが・・・

 2年ほど前に滝宮の道の駅で、讃岐うどんの打ち方が書かれた冊子を発見!
 配合から打ち方まで詳しく書いてくれているじゃないですか♪
 すぐにその冊子を購入した。・・・・・が、買っただけで「面倒やのぉ〜」と思い、そのまま本棚の肥しに・・(;¬_¬)

 で、その本が日の目を見たのは、うどん用の粉を貰ってきた最近の事である。
 運動不足解消にもなるだろうし、折角の粉が勿体無いと言ういじましさも手伝って「うどん打ちチャレンジ」となった。

 しかし、ここで落とし穴が・・・

 貰った粉は「古くなって使えないから捨てる」というシロモノ。
 いざ打ってみると、とんでもない「うどんもどき」しか出来なかったのである。5cm位に折れてしまうわ、コシが強すぎてゴムのような食感だわ・・

 やはり、ゴミはゴミでしかなかった・・・_| ̄|○

 やむなく、スーパーでごく普通の中力粉を購入し、同じ打ち方で打ってみたら・・・

 これがなんと大成功!
 有名店のものと大差無いくらいの出来だったのよ〜ん♪v( ̄ー ̄)v

 それからと言うもの、うどん打ちが面白い。
 嫌がる家族を尻目に毎週うどん作りに励んでます。


うどんの打ち方

1.材料の準備

2.道具の準備

3.配合

 「土三寒六」(暑い土用の頃は塩が3、寒い寒の頃は塩が6)と言う言葉は古くから伝わってましたが、「何に対して・どんな単位で」の三や六なのかは不明でした。
 もともと配合はうどん屋の秘伝中の秘伝で、我々民間人には知る術も無かったのですが、最近は公開されてます。

1玉分の配合

 粉 100g
 塩 3〜6g (熟成を冷蔵庫でするなら5gくらい)
 水 塩とあわせて45〜50g(湿度が高ければ少なめ)

手打うどんの材料

中力粉・塩・水

4.混合

  1. 塩を水に溶かして塩水を作っておきます。
    手打ちうどん 材料の混合  
  2. こね鉢(又は代用品)の中に粉を入れます。 
  3. 大きな塊りが出来ないよう手で強めに混ぜながら、少しづつ塩水を加えていきます。
    絶対に一気に入れない事。ここで塊りが出来てしまうと、後が上手く行きません。
    塩水が混ざると、粉の色が茶色くなります。 
  4. 空気を含ませるように、5分ほど手で攪拌します。
    手打うどん 粉の混ぜ方
     
  5. パラパラの粉を固めていきます。
    手打うどん 粉を固める 
  6. 固めてしまうとこんな玉になります。
    手打ちうどん 玉の作成

5.こね

  1. 大きなビニール袋に固めた玉を入れ、足で踏んで平らに延ばします。
       手打うどん 足踏み → 手打ちうどん 延ばし
     
  2.  延ばしたら、丸めて玉にします。
       手打うどん こねる

 以後、1と2を5回以上繰り返し、最後に玉にしておきます。

6.熟成

 夏なら常温で1時間以上、冬なら3時間以上、冷蔵庫を使う場合も3時間以上、ビニール袋に入れて放置します。
 お勧めは冷蔵庫で4時間程度です。
   手打ちうどん 寝かし 熟成

7.延ばしと麺切り

  1. 熟成が済んだ玉を足踏みで適当に延ばします。
    手打ちうどん 足で踏んで延ばす
     
  2. 板の上に小麦粉(何でも良い)を引き、その上に延ばした玉を置き、上から小麦粉を薄く振り掛けます。(粉をザルに入れ、玉の上で振ると楽)
    手打ちうどん 打ち粉
     
  3. 麺棒で3mm位の薄さになるよう均一に延ばします。
    手打ちうどん 麺延ばし
     
  4. 延ばした玉を包丁で切れる幅になるよう、折りたたみます。
    手打うどん 麺切りの準備 
  5. 麺の幅が3mm位で均一になるよう、包丁で切ります。
    手打ちうどん 麺の切り方 → 手打うどん 麺切り完了
    ここで、幅が違うような切り方をすると、茹でた時に煮え方が1本1本違ってしまい、最悪の結果を迎える事になります。(体験済み(T∇T))

8.茹でとシメ

  1. 茹では、可能な限り大きな鍋を二つ使い、七分目くらい水を入れて沸騰させます。 
  2. 湯が沸騰したら火を止め、うどんを投入します。
    熱湯に入れたうどんは急速に硬化しますので、ここで攪拌すると折れてしまいます。
    ですから、火を止めて投入するのがコツです。 
  3. 最初のお湯を半分程度捨てて、別の鍋のお湯を注ぎます。 
  4. 少し(1分ほど)待っているとうどんが柔らかくなってきますから、ここで再度点火し、焦げ付かないよう攪拌します。 
  5. 沸騰し始めたら、丼一杯程度の水を注ぎます。これを暫く繰り返します。 
  6. 味見してみて、芯が無くなったようなら茹で上がりですので、ザルに移します。
    讃岐うどん 茹で方
  7. 大量の冷水を掛ける事で急冷し、麺をシメてコシを出します。
    夏ならば最後に氷水に浸けるのが良いでしょう。
    讃岐うどん しめ方
     
  8. 茹でても5cm立つうどんの完成
    讃岐うどんの完成

9.簡単なツユ作り

○掛けのツユ
 うすくち醤油、白だし、料理酒、塩、水を適当に混ぜて沸騰させる。

○浸けのツユ
 刺身醤油、白だし、料理酒、みりん少々、水を適当に混ぜて沸騰させる。
 できれば、1晩以上寝かせた方が良い。

 手間が有るなら、白だしよりも煮干・鯖節・鰹節・昆布・味醂で出汁を取れば最高です。

10.食べる

  釜揚げうどん

  茹でた麺をシメずにそのまま鉢に移したものが釜揚げ

讃岐 釜揚げうどん

  ぶっかけうどん

  シメた麺に濃い目のツユを掛けたのがぶっかけうどん
  大根おろし、おろし生姜、細ネギ、花かつお等を薬味にすると美味い

   ぶっかけうどん

  夏なら冷やしうどんも美味い♪ 薬味はワサビではなく生姜を使うのが本道。


 皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか?
 成功すると面白いですよ〜。
 少しづつ配合を変えてみたり、延ばし方を工夫してみたり、色々と試して味の違いを楽しんでみて下さい。


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